カラードコイン

今まではずっと、ネットワーク上でビットコインをどのように交換するかを見てきた。しかしビットコインネットワークは、どんなアセットの種類であっても移動して交換することができる。

このアセットは「カラードコイン」と呼ばれる。 ビットコインブロックチェーンに関しては、ビットコインとカラードコインにちがいはない。

カラードコインは標準的な トランザクションアウトプット に記録される。ほとんどの場合、この トランザクションアウトプット は「Dust」と呼ばれる除去できないビットコインの価値(600satoshi)を含んでいる。

カラードコインの真の価値は、そのコインの 発行者 がそれと何を交換するつもりかによって決まる。

カラードコインは特別な意味を持った普通のコイン以外の何者でもないので、それはつまり今まで所有権の証明や TransactionBuilder について見てきたすべてが通用するということだ。今までと同じルールで確実にカラードコインを移動できる。

ビットコインブロックチェーンに関する限り、カラードコイン はほか全て同じように ビットコイン なのだ。

カラードコインによっていろいろなアセットの種類を表現できる。たとえば会社の株、公債や選挙の票などだ。

しかしどんなアセットを表現しようとしても、いつもそこにはアセットの 発行者所持者 との間で信頼関係があるだろう。 もし会社の株を持っていたとしても、ひょっとすると会社は配当を送らない決定をするかもしれない。 もし公債を持っていたとしても、ひょっとすると銀行は満期になっても交換してくれないかもしれない。

しかし、契約違反は Ricardian Contracts によってもしかしたら自動的に発見されるかもしれない。 Ricardian Contract はアセットに付与された権利をもとに、発行者が契約に署名するものだ。このような契約は人間にも読めるし(PDFで)、構造化もされる(jsonで)ので、自動的にどんな違反も証明できるのだ。 発行者 はアセットに付与された ricardian contract を変えることはできない。

ビットコインブロックチェーンは、財務的な道具の移動媒介に過ぎない。 イノベーションなのは、あらゆる人が仲介人なしに自分自身のアセットを作り、移動できることだ。ところが伝統的なアセット移動のための仲介人(クリアリングハウス)は厳密に規制されたり、意図的に秘匿化され、一般大衆に公にしなかったりするのだ。

オープンアセット は、ビットコインブロックチェーン上でカラードコインを 移動し、発行する 方法を著したFlavien Charlonによって作られたプロトコルの名前だ。 他のプロトコルも存在しているが、オープンアセットが最も簡単かつ柔軟で、NBitcoin によってサポートされているただ1つのプロトコルだ。

この本の残りでは、オープンアセットプロトコルの詳細については言及しないつもりだが、GitHub上の仕様書のページが詳細を知るには良いだろう。

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